(2009年4月5日の記事 <写于2009年4月5日>)
大岡川に続き、翌日は東京の目黒区にある大岡山へお花見に行った。実は9年ぶりだ。
看完大岗川的樱,第二天我们又去位于东京目黑区的大岗山赏樱。对我来说,已经有九年没去那儿看过了。
目的地は母校の東京工業大学大岡山キャンパス、そこは私が初めて桜とドラマチックな出会いを果たした場所だ。
我们的目的地是母校东京工业大学的大岗山校园,那正是当年我戏剧般地初识樱花的地点。
厳密に言うと、初めて桜を見たのはそこではなかった。それは初来日の際、九州の町だった。あれは短期訪問で、冬に来て帰国は翌年の3月なので、桜は既に咲き始めていたらしい。しかし、やはりちょっと早かったのか、住まいが桜名所と遠かったせいなのか、残念ながらたまたま町の中にぽつんと咲いていた一本の桜の木を見かけた。「あ、きれいね」と思ったけど、特別なものは感じず、どうして魯迅はあんなに桜を絶賛したのか、一人で考えながら、帰国の準備をしていた。
严格地说、“初识”樱花并不是在那儿。而是我第一次来日本时,在九州的一个城市。那是一次短期访问,冬天来的开春3月就要回国。临行时就听说樱花要开了,遗憾地是,也许是时机尚早,或者自己没住在赏樱的名所附近的缘故吧,我只偶尔看到了一棵孤零零绽放在街边的樱树。当时是觉得美,但也没有特别的感觉。心里一边琢磨着为什么鲁迅要那样地赞美樱花呢?一边忙碌着就准备回国了。
本格的な来日は秋で、東工大の大岡山キャンパスに留学することになった。当時既に10月に入って、校庭には花の記憶がなくて、あちらこちらで長い月日を重ねた巨大で多くの木々がとても印象的だった。母校誕生当時に植えられた木で、100年以上のものもあるらしい。太いものは大人二人が手を広げ、木の幹に手を回そうとしても届かないほどの大木だった!歴史の重みが感じられますね。そして間もなく長い冬となり、忙しい日々と共に、キャンパスの風景は私の心境と同じく平凡になりつつ、気がついたら、一番の馴染じみの景色はあの高くまっすぐな銀杏の木々、と本館の前に整列している名前も知らない老樹林だった。いつの間に、皆葉が落ちて枝ばかりになって、中国西北部にある故郷の蘭州を思い出され、懐かしかった。
后来我在一个秋天重新来到日本,开始在东工大正式留学。当时已经过了10月,新鲜的校园里我没有太多关于花的记忆,倒是随处可见的参天大树林让我印象深刻。听说许多是母校初建时植的树,已经有100多年了,粗的要两个大人才能合抱得住,不觉让人感触岁月的沧桑。以后就是漫长的冬天,在忙碌的每一天中校园渐渐没有了新鲜感,倒是每天看到的那些高大挺拔的银杏、和办公楼前整齐排列的那些不知名的老树林,让我感到熟悉,亲切。因为不知什么时候,这些老树叶子都掉了,变成了光秃秃的干树枝。让人不由想起远在祖国大西北的故乡---我的兰州。

春になった。ようやく第一学期が無事に終わって、日本化学会の年会に発表することになった。この恒例の年会は毎年3月の最後の4日間に開催され、その後研究室は恒例に春休みになるので、しばらく学校に来なくなった。出かけた日は確かに本館前の木はいつもと同じ灰色のままの葉っぱひとつない枯れ木だった。
开春了,第一学期终于圆满结束。整个研究室都要去参加日本化学会的年会,我也要在会上发表。这是全日本一年一度的学术会议,每年都在3月的最后4天召开。以后研究室按惯例放春假,也就是说我们要离开校园一段时间。记得那天离校时,办公楼前的老树林依然是灰灰的干树枝。

一週間後新学期の初登校日、春早々、とっても陽気な居心地のいい朝だった。久しぶりに正門から学校に入り、あの巨大な戦艦のような建物――百年記念館が目に写り、そのまま中に進み、図書館の横を通って、少し左に曲がったら本館の前、例の老樹林に再会するはず!が、どこにもあの枯れ木の姿がなかった!目に映った理解不能な景色に圧倒され絶句に!いや、絶叫させられてしまった:“えーーーっ!これ、ナ-二~~?!どうしたの~~???”
一周后新学期第一天,一个阳光明媚的早上我踏进小别的校园,首先映入眼帘的是那幢造型像一艘巨轮的百年纪念馆。继续往里走经过图书馆再往左一拐,就应该见到那片久违的老树林了。可是,我没看到它们!眼前的景色让我惊呆了。不,让我惊叫了起来!我一时无法理解:“怎么回事儿?这是怎么回事儿啊!!!”

―――空にピンク、地面にピンク、周りにピンク一色、なんと全部桜だった!
——我看到,天上,地下,前后、左右粉霞一片,竟然全部是樱花啊!

こんなにたくさん、魔法をかけられたように一斉に咲いていた桜を見るのは生まれて初めてだ。
我哪见过这么多铺天盖地的,魔术般一起绽放地樱花啊。

一番肝心なのは、誰も教えてくれなかった、あの馴染みの老樹林は実はサクラの木だった。
关键是,从来没有人告诉过我,这片我熟悉的光秃秃的老树林就是樱树啊。

あっ、眩し、このピンクの視覚衝撃!でもとっても暖かい電流のようなものが私の体の中を流れ始めた。おでこから背筋、肩から腕に、脚に、全身全霊に、すべてこの妖精に飲み込まれたように柔らかくて、くっすぐったくって、思わず笑みが心の中からあふれ出てきて、思い切り叫びたくなった:
啊,这粉色真眩目,象一道冲击波,似一股温暖无比的电流,开始在我的体内流动。从额头,到颈椎,滑过肩,传到手臂,最后汇向脚底,我感到全身心都仿佛被这花仙吞没了一样,轻柔酥软,痒痒地,我发自内心地想笑,忘情地想大叫:

“あ~~~~、桜!”
“これはサクラだ~~~~、
“是樱花啊~~~~~~”
“这就是樱花啊~~~~~~!”
“し~あ~わ~せ~よ~~~!”
“好幸福啊~~~~~~!”

気がついたら、回りは人、人、人。人はちょっと驚いたような目で私を眺めていた。あっ、ようやく一人世界から目覚めた。ふふふ、恥ずかしくて顔を空に向け、そこは太陽も花びらの隙間からピンクに染められ、笑いながら、私の頬を撫でてくれた、頬もきっとピンク色でしょうね。
蓦地,我才发现周围居然有许多惊奇的眼睛在盯着我。我终于从一个人的世界回到现实,嘿嘿。我不好意思的仰望着天空,透过斑驳的花逢,我看见了太阳也被染成了粉色,它正笑着抚摸我的脸呢,那脸一定也是粉红色的。

以后,每年的这几天都会被这满天彩霞所陶醉,而且觉得越来越喜欢她了。但是遗憾的是,第一次的那种舍人魂魄的感动却再也没有过了。
その後、毎年満開の桜に感激して、さらに桜が好きになっていった。だが、残念なことにこの大岡山で感じたあの感動はもう二度と味わうことはまだない。

P.S.
① ちょっと季節外れだけどおかげ様で、私のブログで“待続”が多い中、ようやくひとつが解消できてよかった。
②“大岡”物語*
“大岡”という地名に縁があるようです。昔は“大岡山”に、今は大岡川に、そして上大岡にもよく足を運びました。
ところが、この“大岡”の発音に昔結構困らせられていたものです。PCで一発文字変換できるようになるまでには、随分時間がかかった。
この“お”が三連パツする発音が、 最初私にとって、結構難しかったわ。あの頃、まだ長音を発音することさえうまくできていないものですから。毎回牛のようになって首を長くし、指で数えながら:オーオーオーカ山??わかった?なのに、相手の反応はいつも:なに?なに?だって! ショッショッショック!)